「落着きがない気がする」「空気が読めない発言が多い」「一つの遊びばかりする」

「・・・もちかして、うちの子発達障害?」

気になる行動が目立ってくると、不安も大きくなります。
「専門機関でみてもらった方がいいのか?でも、もしも発達障害と言われたらショックだし・・・」

私が担当しているお子さんの保護者さんも、診断名がついてしまうことへの恐れから、受診することに一歩踏み出せずにいる方がたくさんいらっしゃいます。

診断は受けるべき?

この問いに対しては、簡単にイエスとは言えません。診断を受ければ、それを受けとめるための時間、精神力が必要です。

なので、「受けるべき」とキッパリとは言いきれません。

しかし、「診断名がつくことが怖い」という理由でしたら、「怖いことではありません。診断を受けることは、お子さんを正しく理解する入口の一つである」と伝えたいです。

「なんで周りのペースに合わせられないんだろう?」「聞こえているはずなのに、なんで返事をしないんだろう?」

???
謎だらけ・・・

行動の理由が分からず、「なんでそんなことができないの?」とただ怒ってしまったり、「できないなら、おやつなしだよ」と交換条件を出して、無理矢理やらせてしまっている。

そんなことはありませんか?

なぜできないのか?なぜそういった行動をとるのか?

診断を受けることで、日々感じているお子さんの行動の“ナゾ”が徐々に紐解けてきます。
例えば、自閉症スペクトラムのお子さんは、「うん」「そうなんだ」「え?」といった自然なあいづちができない、もしくは非常に少ないことがあります。

それは、「私はあなたの話しを聞いてるよ」という表出をすることの意味が理解できなかったり、理解していたとしても、タイミングが分からない場合があります。

「聞こえているはずなのに、返事をしない」

この行動も、そういった自閉症スペクトラムの特性をきちんと理解していないと、「無視するじゃないの!」と叱ってしまうことになりかねません。

もし、きちんと理解していれば、「お母さんがお話しをしたら、「はい」って言ってね。そうしたら、お母さん、〇〇くんがお話聞いてくれてたんだって分かって嬉しいから」

と、どういう行動をとるべきかをお子さんに伝えてあげることができます。
お子さんも、ただ理由も分からず怒られるという状況が少なくなり、どう行動すべきかを学習できますし、ほめられる機会も増えていきます。

お子さんを正しく理解し、正しい対応を増やしていく

診断を受けることは、そんな一歩につながることだと、感じています。