理解があって表現へ
「ことばの発達というと、「お話をするかしないか」にばかり注目してしまいます。「ほら、リ・ン・ゴよ。言ってごらん。」と覚えさせようと一生懸命に。
ことばの発達には、2つの側面があります。
「理解面」と「表現面」です。
ことばが意味しているものを理解できてはじめて、ことばの表現へとつながって
いきます。
ことばの理解
お子さんと一緒にお散歩中、空に飛行機が見つけました。そこで、お母さんが「あ、ひこうきだよ」と話しかけます。
すると、お子さんは「ひこうき」という音から、頭の中で飛行機を思い浮かべ
ます。
そのため、お母さんの見つけた飛行機を一緒にみることができます。 ことばというのは、頭の中で概念・イメージと結びついて理解できます。
飛行機という概念・イメージが子どもの頭の中になければ、「ひこうき」という
音は単なる音でしかありません。
私たちが全く知らないことば、イタリア語やギリシャ語でひこうきと言われてい
るのと同じなのです
ことばの表現
ことばを表現する場合は、頭の中で思い浮かべることが先にあります。飛行機をみて、頭の中に飛行機のイメージが思い浮かべ、「ひこうき」というこ
とばを発します。
理解できることばを発することが表現です。
「ほら、リ・ン・ゴよ。まねして言ってごらん」
お子さんが「りんご」が何なのか理解していなけらば、ただの音まねをさせてい
るだけで、意味を成しません。
りんごを食べるときに、むいてお子さんに出す前に、
「りんご食べよう」とりんごを見せ、触らせ、匂いをかがせてあげましょう。

包丁でむくところを見せてあげてから、お子さんと食べましょう。
すると、お子さんの頭の中に、りんごのイメージができあがります。

すると、りんごを見ると「りんご」と言えるようになるのです。
表現にばかり目を向けずに、理解できることを増やしていってあげましょう。